はじめに|妊活中の「生理不順」はどう向き合えばいい?
「あれ…?もう生理が来てもいい頃なのに…」
妊活をしている女性にとって、生理の周期の乱れは、とてもデリケートで切実な問題です。
生理が来ると落ち込んでしまう日もあれば、逆に来ないことで不安が増してしまう日もある。
妊娠を望んでいるからこそ、生理のちょっとした変化にも、心が揺れてしまう。そんな日々を、一生懸命に生きていらっしゃるのではないでしょうか。
「もともと生理不順だったけれど、最近さらに周期が乱れてきた…」
「病院に行くほどじゃないって言われたけど、本当にこのままでいいの?」
そう感じて、市販の漢方薬に頼ってみようと考えるのは、ごく自然なことです。
今回は、妊活中に生理不順と向き合うために知っておきたい漢方薬について、「女性の巡り」をテーマに、心と体の両面から丁寧に紐解いていきます。
不安を少しでも和らげ、ご自身に合った選択ができるよう、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
- 妊活中の生理不順と漢方薬の関係
- 当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸の違いと選び方
- 漢方を使う際の注意点と妊活での活用ポイント
【1】当帰芍薬散|冷えとむくみが気になるあなたに
当帰芍薬散は、主に「血(けつ)」と「水(すい)」の巡りが悪いタイプの女性に処方される漢方薬です。体力があまりなく、冷えやすく、顔色が青白い、貧血気味、むくみやすいという方に合うとされています。
構成する生薬には、当帰・芍薬・川芎といった「血の巡りを良くする」もの、そして茯苓・沢瀉・白朮といった「水分代謝を整える」ものが含まれており、全身の巡りを優しくサポートします。
生理不順の中でも、生理が遅れがち・経血量が少ない・経血の色が薄いといった症状のある方に向いています。また、妊娠を希望する方にとっては、子宮内膜の状態やホルモンバランスを整える効果も期待されることから、よく使われる処方のひとつです。
【2】加味逍遙散|イライラ・不眠・自律神経の乱れに
加味逍遙散は、ストレスが原因でホルモンバランスが崩れている方に向いています。
現代の女性に多い「気滞(きたい)」タイプ――つまり、心と体のエネルギーの流れが滞ってしまっている状態に作用します。
構成生薬には、柴胡・当帰・芍薬・茯苓・甘草・生姜・薄荷・牡丹皮・山梔子・白朮などが含まれており、精神を安定させ、血の巡りと水分代謝を整えるはたらきがあります。
特に、イライラ・落ち込み・不安・不眠・月経前症候群(PMS)・更年期症状などが見られる方に用いられます。妊活中はメンタルの波に悩まされがちですが、こうした「心の不調」に漢方でアプローチできるのは、大きな安心感となるでしょう。
【3】桂枝茯苓丸|血の巡りが悪く、月経痛が強いあなたに
桂枝茯苓丸は、「瘀血(おけつ)」タイプ――すなわち血の巡りが悪く、体内に滞りがある方に適した処方です。とくに肩こり・頭痛・下腹部痛・経血に塊があるといった症状を伴う方によく用いられます。
構成生薬は、桂皮・茯苓・桃仁・牡丹皮・芍薬など。これらが体の巡りを改善し、滞った「血」の流れをスムーズにします。
婦人科では、月経痛・子宮内膜症・子宮筋腫などの治療にも使用されることがあり、「体は丈夫だけど月経トラブルがある」という妊活中の女性にも勧められることがあります。
漢方薬を試す前に知っておきたい注意点
「自然由来だから安心」と思われがちな漢方薬ですが、身体に合わない使い方をすると、期待する効果が得られないどころか、逆に体調を崩してしまうこともあります。
妊活中だからこそ、下記のような点には十分注意して服用しましょう。
- 1. 体質に合わないと効果が出にくい
漢方薬は、現代医学のように「この病気にはこの薬」という考え方ではありません。
その人の体質や体調に合わせて処方が変わります。体に合っていない漢方薬を飲み続けても、改善が見られないことがあります。 - 2. 自己判断で複数の漢方薬を併用しない
「あれもこれも良さそう」と複数の漢方薬を併用してしまうと、効果がぶつかり合ってしまったり、副作用のリスクが高まることがあります。
必ず、どれか一つに絞って服用しましょう。 - 3. 即効性を期待しすぎない
漢方薬は“じんわりと体質を整えていく”ものです。
目安として最低でも2~3ヶ月は継続し、ゆっくりと変化を感じるもの。焦らず、時間をかけて付き合っていきましょう。 - 4. 妊娠が判明したら、すぐに服用を中止または医師に相談を
一部の漢方薬には、妊娠初期に避けた方が良いとされる成分が含まれている場合があります。
妊娠の可能性があるときは、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
妊活中に漢方を取り入れる際のポイント
妊活は「赤ちゃんを授かる」ことだけがゴールではありません。
その先にある「健康な身体で、元気な赤ちゃんを迎える」ために、体調を整えることがとても大切です。
漢方薬は、その“土台作り”を支えてくれる心強い味方です。以下のポイントを意識して、妊活の一環として上手に取り入れていきましょう。
- 1. 目的は「妊娠しやすい身体をつくる」こと
漢方薬は排卵を直接促したり、妊娠させる薬ではありません。
ホルモンのバランスを整えたり、冷えを改善したり、子宮や卵巣の環境を整えることを目的としています。 - 2. 自分の体質を知ることから始めよう
自分の「冷えタイプ」なのか、「ストレスタイプ」なのか、「瘀血タイプ」なのかを把握することが、漢方薬を選ぶうえでの第一歩です。
自信がない場合は、漢方相談薬局や婦人科でアドバイスを受けるのもおすすめです。 - 3. 西洋医学との併用もOK。ただし事前相談を
不妊治療クリニックでホルモン治療を受けている方でも、漢方薬を併用することは可能です。
ただし、必ず担当医に漢方薬の服用について相談してください。 - 4. 心のバランスも整える
妊活中はどうしても焦りや不安がつきまといます。
加味逍遙散のように、心の不安を和らげる作用のある漢方薬は、精神的なサポートとしても役立ちます。
まとめ|あなたにとっての「女性の巡り」とは
妊活中の生理不順は、ただの「身体の不調」ではありません。
そこには「赤ちゃんに出会いたい」という、心からの願いが込められています。
今回ご紹介した3つの漢方薬――当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸は、それぞれ違う角度からあなたの身体の「巡り」を整えてくれます。
大切なのは、自分の体質や心の状態と向き合い、「いまの自分に合う方法」を選ぶこと。
漢方薬は、決して「すぐに結果が出る魔法の薬」ではありません。
けれど、じっくりと身体に寄り添いながら、「妊娠しやすい体づくり」を後押ししてくれる存在です。
どうか焦らずに、自分のリズムを大切にしてください。
そして、あなたの身体が、本来のバランスを取り戻したその時、新しい命を迎える準備が静かに整っているのかもしれません。
「女性の巡り」――それは、薬の名前だけではなく、あなた自身の人生のリズム。
その巡りが、美しく、しなやかに流れていきますように。
- 妊活中の生理不順への不安に寄り添う内容
- 当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸の特徴を紹介
- 体質ごとの漢方薬の選び方がわかる
- 漢方薬を使う際の注意点を丁寧に解説
- 妊活と漢方の上手な付き合い方を提案

