不妊の原因に“ポリープ”!?子宮内膜の異常がもたらす妊娠への影響とは

妊娠体質
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子宮内膜ポリープは、見過ごされがちな「不妊の原因」です。しかしその存在が、知らず知らず妊娠を難しくしている可能性があります。

本記事では、「子宮内膜ポリープと不妊の関係とは何か?」を明らかにし、妊娠率を上げるために必要な検査や治療を整理します。

妊活中の方、不妊治療を考えている方に向けて、今すぐ知っておきたい情報をわかりやすくご紹介します。

この記事を読むとわかること

  • 子宮内膜ポリープが不妊に与える影響
  • 治療によって妊娠率が改善する根拠
  • 東洋医学での体質改善アプローチも紹介
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不妊の原因に“ポリープ”!?早めの発見と治療が妊娠に直結

「子宮内膜ポリープ」が不妊の原因になる可能性があることをご存じでしょうか?

自覚症状が少ないため見過ごされがちですが、実は着床や妊娠の大きな妨げになることがあります。

ここでは、ポリープが妊娠に与える影響や、なぜ早期の発見と治療が重要なのかを詳しく解説します。

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜が局所的に過剰増殖し、隆起した良性の腫瘍のことです。

一般的には数mm〜数cm程度の大きさで、単発または複数できることもあります。

無症状の場合もありますが、月経量の増加や不正出血がある場合は注意が必要です。

不妊との関係で注目されているのは、受精卵の着床を物理的・機能的に妨げる可能性がある点です。

ポリープが子宮内膜の着床する場所にあると、子宮内膜の形状や機能が乱れ、妊娠しにくくなります。

特に人工授精や体外受精を予定している方にとっては、治療成績に直結する重要な要素となります。

また、慢性的な子宮内の炎症や免疫異常を引き起こすことがあり、それも不妊に影響を及ぼします。

「原因不明の不妊」と診断された方の中に、後からポリープが見つかるケースも少なくありません。

そのため、妊活中の方や不妊治療中の方は、子宮内の状態を一度しっかりと検査することをおすすめします。

子宮内膜ポリープとは?

子宮内膜ポリープとは、子宮内膜が一部異常に増殖し、突起状に伸びてできる良性の腫瘍のことです。

腫瘍といっても癌ではなく、基本的には良性であり、自然に小さくなることもあります。

大きさは数ミリから数センチまで様々で、1個だけできる場合もあれば、複数できることもあります。

子宮内膜ポリープの主な症状としては、不正出血(月経以外の出血)、経血量の増加、生理不順などが挙げられます。

しかしながら、多くの場合は無症状で進行するため、検診などで偶然発見されることも珍しくありません。

不妊治療の過程で子宮内をチェックした際に、初めて存在が確認されるケースも多いです。

できる部位によって妊娠に与える影響が異なることも重要なポイントです。

たとえば、受精卵の着床が起こる「子宮の奥(子宮底部)」や「卵管開口部」にポリープがあると、着床や受精卵の通過に悪影響を及ぼします。

このため、ポリープの位置・大きさ・数が不妊のリスク評価において重要視されるのです。

治療は、症状が軽ければ経過観察となることもありますが、不妊症の治療中や妊娠希望の方の場合は、子宮鏡による切除が推奨されることが多くあります。

この手術は日帰りでも可能なケースが多く、切除後には妊娠率が明らかに向上したという報告も多数あります。

なぜ“妊娠への影響”が生じるのか?

子宮内膜ポリープが不妊の原因となるのは、子宮内の環境を物理的・生理的に乱してしまうためです。

特に、ポリープの位置や大きさによっては、着床の成立を妨げたり、受精卵の発育に悪影響を与えたりすることが確認されています。

ここではそのメカニズムをいくつかに分けて解説します。

まず、子宮内膜に“異物”が存在すること自体が着床の妨げになります。

受精卵は、ふかふかした状態の子宮内膜にうまく着床しなければ妊娠は成立しません。

しかし、ポリープがあることで内膜の表面が凸凹になり、受精卵が着床するスペースや条件が整わなくなるのです。

さらに、ポリープ周辺では慢性的な軽度炎症が起こっていることがあり、子宮内の免疫バランスが崩れることも報告されています。

これにより、受精卵を異物として排除しやすくなったり、初期の着床が阻害されることがあります。

つまり、子宮内膜の「受け入れ態勢」が低下してしまうわけです。

また、ポリープが子宮内の通路にできた場合、精子や受精卵の移動経路を物理的に妨げることもあります。

特に卵管口に近い場所に存在する場合、精子が卵子に到達しにくくなる可能性もあります。

これらの要因が複合的に作用し、妊娠率の低下につながるのです。

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ポリープが受精卵の着床を妨げる3つの理由

子宮内膜ポリープは、見た目には小さくても、妊娠の成立に大きく影響を与える存在です。

特に「着床」においては、その存在が物理的・生理的な障害として作用することが分かっています。

ここでは、ポリープが妊娠を妨げる具体的な3つの理由を詳しくご紹介します。

① 着床面がデコボコ化し受精卵がくっつきにくくなる

子宮内膜は、受精卵が着床しやすいようにふかふかで滑らかな状態に整えられています。

しかし、ポリープが存在すると、子宮内の表面が凸凹になり、受精卵が接着できる「平らな面」が減少します。

そのため、着床率が低下し、妊娠の成立が難しくなるのです。

② 子宮内の慢性炎症を引き起こす

ポリープは、内部でごく軽度ながら炎症反応を引き起こしている場合があります。

この炎症により、子宮内膜の免疫バランスが崩れ、受精卵を排除する働きが強まる恐れがあります。

本来であれば「受け入れ態勢」にあるべき子宮が、逆に“拒絶反応”を起こしてしまうのです。

③ 卵管や精子の通過を妨げることもある

ポリープの位置が子宮の奥(子宮底)や卵管口付近だった場合、精子の通過や受精卵の移動を物理的にブロックすることがあります。

特に体外受精ではなく自然妊娠や人工授精(IUI)を目指す場合、この障害は無視できません。

ポリープが通り道にあるだけで、精子と卵子が出会う確率が著しく低下してしまうのです。

実証されたポリープ切除の妊娠率改善効果

子宮内膜ポリープが妊娠に悪影響を与えることがわかっている中で、ポリープの切除によって妊娠率が有意に改善するという研究報告が数多くあります。

特に不妊治療を受けている方においては、ポリープ除去が治療の効果を高める有効な手段として注目されています。

ここでは、具体的なデータとともに、その改善効果を見ていきましょう。

人工授精(IUI)では妊娠率が約2倍に上昇

ある研究では、子宮内膜ポリープを持つ不妊女性を対象に、ポリープを切除したグループと、切除しなかったグループで人工授精(IUI)の妊娠率を比較しました。

その結果、切除群では妊娠率が約2倍に向上し、ポリープの存在が妊娠成立に強く関わっていることが示されました。

これは、ポリープが除去されたことで、子宮内膜の状態が正常に近づき、受精卵が着床しやすくなったためと考えられています。

自然妊娠・IUI後のデータ紹介

また、切除後に自然妊娠した例や、IUIでの成功率が急激に上昇したという報告もあります。

国内の医療機関でも「ポリープ切除後に半年以内で妊娠した例」が多数確認されており、これは偶然とは言い難い改善効果といえるでしょう。

特に30代後半以降の女性では、1つの妨げ要因を取り除くだけでも妊娠率に大きな差が出るため、早期の判断が重要です。

このように、子宮内膜ポリープが見つかった場合、妊娠を希望している方は早期に除去を検討する価値があります

安全かつ短時間で行える「子宮鏡下手術」が主流であり、身体への負担も少ない日帰り手術として広く行われています。

体外受精(IVF)との相性とポリープサイズの目安

子宮内膜ポリープが体外受精(IVF)の妊娠成績に与える影響についても、多くの研究が行われています

自然妊娠や人工授精(IUI)ほどではないにせよ、IVFでもポリープの存在が着床や胚発育に関わっていることが示唆されています。

特に注目すべきは、「ポリープの大きさ」が妊娠率に影響するという点です。

小さいポリープ(1cm以下)はIVFに大きな影響なし?

一部の研究では、1cm未満の小さなポリープであれば、IVFでの妊娠率に顕著な悪影響は見られないという報告もあります。

これは、ホルモン補充周期などで内膜環境がコントロールされるため、小さなポリープの影響が軽減されるためです。

そのため、IVF前に無理に切除を行わず、慎重に経過を観察する方針をとる施設もあります。

20mm以上は妊娠率低下&流産リスク増?

一方で、ポリープが20mm以上のサイズに達すると、妊娠率の低下や流産率の上昇が明確に報告されています。

これは、着床部位を占拠する可能性が高く、子宮内膜の受容性(受精卵の受け入れやすさ)を阻害するためです。

特に胚盤胞移植(5日目胚)を行うような高精度のIVFでは、ポリープの存在が成功率の差に直結することもあります。

IVFを控えている場合は、ポリープの大きさ・位置・数を医師と相談し、切除の必要性を慎重に判断することが重要です。

迷う場合は、子宮鏡検査で状態を正確に確認した上で決定することをおすすめします。

ポリープの検査から治療法まで:妊活中に知っておくべき流れ

子宮内膜ポリープが妊娠の妨げになるとわかった今、妊活中に行うべき検査や治療の流れを理解しておくことが重要です。

ここでは、ポリープ発見から治療までの基本的なプロセスをご紹介します。

妊娠を目指す方は、タイミングを逃さず適切な対応をとることが妊娠率向上の鍵となります。

① 経腟超音波でのスクリーニング

最初に行われるのは、経腟超音波(経腟エコー)による子宮内の観察です。

この検査は痛みもなく、数分で終わるため、婦人科外来で手軽に行える初期スクリーニングとして最適です。

ただし、小さなポリープや位置によっては映らないこともあるため、精密検査が必要なケースもあります。

② 確定診断は子宮鏡検査で

ポリープが疑われた場合、子宮鏡を使った検査で確定診断を行います。

細いカメラを子宮内に挿入し、ポリープの位置・大きさ・数を直接目視で確認します。

映像で確認できるため、より正確かつ的確な診断が可能となり、同時に切除の判断も行えます。

③ 子宮鏡下ポリープ切除の流れ

確定診断後、子宮鏡を用いたポリープ切除手術が一般的な治療法です。

この手術は、多くの場合は日帰りで可能であり、入院の必要もなく、体への負担も少ないのが特徴です。

手術後は通常、1〜2回の月経を経てから妊活再開となり、妊娠率が改善したという報告が多数あります

妊娠を希望している方で、不正出血や生理不順がある方は、「念のため」の検査が妊娠への大きな一歩になるかもしれません。

迷ったときは、まず婦人科で相談してみることをおすすめします。

東洋医学的治療で子宮内膜ポリープにアプローチする方法

子宮内膜ポリープに対する治療は西洋医学だけでなく、東洋医学、特に漢方医学でも注目されています

体全体のバランスを整えるという視点から、「気・血・水」の巡りを改善することで、ポリープの発生や成長を抑えるという考え方に基づいています。

ここでは、漢方によるアプローチの特徴と代表的な処方例をご紹介します。

漢方で目指すのは「瘀血(おけつ)」の改善

東洋医学では、子宮内膜ポリープは「瘀血=血の滞り」によって起こるとされます。

そのため、血流を改善し子宮の働きを活発にする漢方薬が処方されます。

また、マッサージも効果的です。

冷えやストレス、ホルモンの乱れなどによる体のバランスの崩れを整えることが、重要な治療目的なので。

代表的な漢方処方の一例

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血行を促進し、子宮内のうっ血を改善するとされる。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):女性ホルモンのバランスを整え、体質全体を改善。
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん):ストレス性のホルモン不調を調整し、自律神経を安定。

これらは単体で使われることもありますが、患者さんの体質や症状に合わせて調整されるのが東洋医学の特徴です。

漢方だけで治る?限界と併用の重要性

漢方薬は、子宮内膜ポリープそのものを小さくするというよりは、体質改善や再発予防を目的としています。

したがって、症状が重い場合や妊娠を急ぐ場合は、西洋医学的な切除と併用する形が最適です。

実際、多くの婦人科では、不妊治療と組み合わせて漢方を処方するケースも少なくありません。

身体全体を整えることで、妊娠しやすい体づくりをサポートしてくれるのが、東洋医学ならではの魅力です。

子宮内膜ポリープと不妊 原因に関するまとめ

子宮内膜ポリープは、見逃されやすいものの、不妊の原因として確かな影響を及ぼす存在です。

着床環境の物理的な障害だけでなく、免疫やホルモンバランスにも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期発見と適切な対応が妊娠への近道となります。

特に妊娠を望む女性にとっては、ポリープの検査と治療が重要なステップになります。

  • ポリープの存在は、自然妊娠・人工授精・体外受精すべての段階で妊娠率に影響。
  • 切除により妊娠率が2倍近く改善するケースもあり。
  • ポリープの大きさや位置によっては、手術の必要性が変わるため、医師との相談が不可欠。
  • 東洋医学的な体質改善も有効な補助療法として注目されている。

妊活中の方や、なかなか妊娠に至らない方は、一度「子宮内のチェック」を行ってみることをおすすめします。

症状がなくても検査をすることで、思わぬ妨げが見つかることもあります。

西洋医学と東洋医学、それぞれの特長を活かしながら、自分に合った最適な治療法を選びましょう。

この記事のまとめ

  • 子宮内膜ポリープは不妊の一因となる
  • ポリープは着床を物理的・免疫的に妨げる
  • 切除により妊娠率が2倍になることも
  • 体外受精ではポリープの大きさが影響
  • 検査は超音波→子宮鏡で正確に判断
  • 治療は日帰り可能な子宮鏡下手術が主流
  • 漢方による体質改善も有効な補助療法
  • 不正出血や生理不順がある方は検査を推奨
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