結婚したばかり。
新しい生活に、夢と希望がふくらんでいた頃。
「赤ちゃんなんて、自然にできるもの」
――そう信じていたあなたが、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)という診断を受けた。
目の前に映し出された卵巣の中に並ぶ、真珠のような小さな卵たち。
「これじゃ赤ちゃん来てくれないかも…」と、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような思いになったあの夜。
涙が止まらなかった、あなたへ。
でも、どうか知ってほしいのです。
その涙は、希望の始まりでもあるということを。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の基礎知識と妊娠への影響
- 柴苓湯や葉酸、子宝ケアによる自然妊娠へのアプローチ
- 治療法の選び方と、自分に合った妊活ステップの考え方
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?
PCOSとは、卵巣内にたくさんの小さな卵胞(未成熟な卵)が作られてしまい、排卵がうまくいかなくなる状態です。
女性ホルモンのバランスが崩れ、結果として月経不順や無排卵、体毛の増加、ニキビなどが現れることもあります。
「卵が育っていないわけではないのに、排卵されない」
――それがPCOSの厄介なところです。
でも、決して「妊娠できない」わけではありません。
体質を少しずつ整えることで、自然妊娠を叶えた方も、実際にたくさんいらっしゃいます。
なぜ“今”焦りを感じてしまうのか
あなたが33歳という年齢を迎えているからかもしれません。
もしかすると、ご家族や義両親からの「赤ちゃんはまだ?」という言葉もプレッシャーになっているのでしょう。
妊娠は、誰にでも簡単に訪れるものだと思っていた。
その“思い込み”が崩れたとき、人は自分を責めてしまいます。
でも、それは違います。
今まで頑張ってきた証が、そうさせているのです。
柴苓湯(さいれいとう)とは?東洋医学からのアプローチ
あなたに処方された「柴苓湯」は、漢方薬のひとつです。
水分代謝を整え、体内の余分な湿(しつ)を排出し、身体のめぐりを整える作用があります。
PCOSのように、「体内に滞りがある状態」には、この柴苓湯が体質改善の助けとなることがあります。
体への負担が少ないため、長期的な使用にも向いているとされています。
「副作用が少なく、じんわりと効いてくる」――
まさに、あなたの体に寄り添ってくれるような漢方薬です。
葉酸は一緒に飲んでも大丈夫?
妊活中や妊娠初期の女性にとって、葉酸はとても大切な栄養素です。
神経管閉鎖障害の予防、細胞分裂の促進など、赤ちゃんの発育を支えるために欠かせません。
柴苓湯と葉酸の併用は、基本的に問題ないとされていますが、念のため主治医や薬剤師に確認しておくと安心です。
また、サプリメントも「合成葉酸」ではなく「天然型(モノグルタミン酸型)」を選ぶと、吸収率がよいとも言われています。
自然妊娠への希望:当院での「子宝ケア」について
PCOSの方には、一般的に「運動がいい」とはっきりとしたエビデンスはありません。
ですが、当院では――
血流、自律神経、骨盤バランスを整える「子宝ケア」によって、自然妊娠された方が多数いらっしゃいます。
排卵や着床の土台となる「子宮環境」は、栄養だけでは整いません。
血のめぐり、気の流れ、心の安定――
これらすべてが、赤ちゃんを迎える“お部屋”を整える力になります。
自分の身体にそっと寄り添うような施術を受けてみませんか?
無理な運動やダイエットよりも、“あなたらしく妊娠力を育む方法”を選んでみましょう。
希望の道筋 ― ステップアップの考え方
柴苓湯や子宝ケアなど、体の土台を整える取り組みは、妊娠力の根本を育む大切な時間です。
私の経験では、排卵誘発剤などを使わず、自然妊娠を目指した方が良い結果につながることが多いと感じています。
実際、当院で「妊娠しやすい身体」を整えることで、タイミング法のみで自然妊娠に至った方も少なくありません。
身体のめぐりやホルモンバランスが自然と整えば、薬に頼らずとも赤ちゃんを迎えられる力は、誰の中にも眠っているのです。
とはいえ、当院のような体質改善のアプローチが受けられない環境にある方、あるいは時間的な制約がある方には、顕微授精(ICSI)などのステップアップも重要な選択肢になるでしょう。
人工授精(AIH)や体外受精(IVF)は決して“義務”ではありません。
でも、「自分に合った方法」を知るために医師としっかり話し合うことは、とても大切なプロセスです。
誰かと比べる必要はありません。
あなたのペースで、あなたらしい妊活の道を選んでください。
- PCOSの診断と妊娠への不安に寄り添う体験談
- 柴苓湯や葉酸、子宝ケアによる自然妊娠の可能性
- 人工授精や体外受精に頼らない選択肢の提案
- 心と体を整えることの大切さと希望の持ち方

