卵管が片方なくても妊娠できる理由|子宮外妊娠後の妊活を前向きに進める方法

妊活に対する疑問
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子宮外妊娠で片方の卵管を失ってしまった――。
この現実を受け入れるまでに、どれほどの涙と時間を必要としたことでしょう。

「もう妊娠できないかもしれない」
「タイミングを合わせても、うまくいかない」
そんな不安や焦りを抱えている方が、私の整骨院にもたくさん来られます。

けれど、どうか知っておいてください。
実は、卵管が片方でも自然妊娠は十分に可能なのです。

私はこれまで、同じように子宮外妊娠で片側の卵管を失いながらも、
自然妊娠を果たされた方を何人も見てきました。
その方々に共通しているのは、「身体の自然な力を信じ、整える努力を続けた」ということ。

この記事では、なぜ卵管が片方でも妊娠できるのか、そして
前向きに妊活を進めるための体と心の整え方をお伝えします。

この記事を読むとわかること

  • 卵管が片方でも自然妊娠できる医学的な理由
  • 子宮外妊娠後に身体を整える具体的な方法と考え方
  • 焦らず希望を持って妊活を続けるための心のケア
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1. 卵管が片方でも妊娠できる理由とは?

まずは、基本的な仕組みから整理してみましょう。

卵管の役割は、
① 卵巣から飛び出した卵子をキャッチする(卵管采(らんかんさい))
② 卵管の中で精子と出会わせて受精させる
③ 受精卵を子宮まで運ぶ
という3つの大切なプロセスを担っています。

多くの方が「片方の卵管采がない=片方の卵巣の排卵はチャンスがない」と考えがちですが、実は違うのです。

人間の身体はとても柔軟で、片方の卵管が反対側の卵巣から排卵された卵をキャッチすることもあるのです。
これを医学的には「クロスピックアップ(cross pickup)」と呼びます。

つまり、左の卵巣から排卵しても、右の卵管采(卵管の先端)がその卵を取り込んでくれることがあるのです。
このため、卵管が片方でも、両方の卵巣から排卵された卵にチャンスがあるということ。

実際、卵管が片方しかない女性でも自然妊娠されるケースは数多く報告されています。
妊娠とは、奇跡のようでいて、実は身体が本来持っている「自然な力」の結果でもあるのです。

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2. 子宮外妊娠後の卵管の状態と自然妊娠の確率

子宮外妊娠を経験された方の多くが口にされるのは、
「また同じことが起きたらどうしよう…」という深い不安です。

そのお気持ち、本当によくわかります。
妊娠という幸せな出来事が、突然の痛みと手術で終わってしまう――
その経験は、身体だけでなく、心にも大きな傷を残します。

でも、医学的に見ても、子宮外妊娠後に自然妊娠できる可能性は決して低くありません。

もう一方の卵管を大切に守るために

もう一方の卵管が残っているということは、命を迎える通り道が一つ、しっかり残っているということです。
その卵管をこれからどう守るかが、次の妊娠への鍵になります。

卵管の機能を妨げる大きな要因は、炎症と血流の悪化です。
骨盤内の血流が滞ると、卵管の周囲の組織も硬くなり、卵のキャッチアップがうまくいかなくなります。

冷え、長時間のデスクワーク、ストレス、睡眠不足などが重なると、
少しずつ骨盤内の循環が悪くなってしまいます。

だからこそ、「温める・ゆるめる・巡らせる」ことを意識してください。

  • 下腹部を冷やさない(薄着や冷たい飲み物に注意)
  • 深い呼吸で骨盤内の血流を促す
  • 寝る前のストレッチで腰まわりをほぐす

これらの積み重ねが、卵管の柔軟性と働きを支えることにつながります。
西洋医学の検査と並行して、自分の身体の声を聴くケアを取り入れていきましょう。

「なかなか授からない」原因は一つではない

卵管が片方ないという事実だけで、妊娠しにくいと決めつけるのは早すぎます。
実際、ホルモンバランス、甲状腺、子宮内膜、精子の状態など、妊娠に関わる要素は多岐にわたります。

つまり、原因が「片方の卵管だけ」とは限らないのです。

この視点を持つことで、「私はダメなんだ」と自分を責める気持ちが少し軽くなります。
あなたの身体は、ちゃんと妊娠しようと頑張っています。
ただ、少しサポートが必要なだけなのです。

身体をいたわりながら、焦らずに、残った卵管が“本来の働き”を取り戻す時間をあげましょう。

3. 排卵誘発剤は使うべき?自然妊娠とのバランスを考える

妊活中、医師から「排卵誘発剤を試してみましょう」と提案されることがあります。
今回のご相談の方のように、排卵が左ばかりでモヤモヤしているとき、
「両方から育つように」と勧められるケースはよくあります。

確かに、排卵誘発剤にはメリットがあります。
でも、同時に副作用や体への負担も存在します。
ここでは、その両面を整理しながら、自然妊娠とのバランスを一緒に考えてみましょう。

排卵誘発剤のメリットとリスク

排卵誘発剤(クロミフェン、レトロゾール、hMG注射など)は、
卵巣を刺激して、複数の卵胞を育て、排卵を促すお薬です。

メリットとしては、

  • 排卵の回数を増やすことで、妊娠のチャンスを広げられる
  • 排卵が不安定な方のリズムを整えやすい

という点が挙げられます。

しかし一方で、

  • 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク
  • 子宮内膜が薄くなる(クロミフェン使用時)
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 精神的な不調(イライラ・頭痛・不眠など)

といった副作用が出る場合もあります。

特に、身体がまだ回復途上の時期(子宮外妊娠後1年以内)であれば、
過度に刺激するよりも、自然な排卵をサポートする方向で整えていくほうが良いことも多いです。

自然排卵を促す「身体のチカラ」を高める方法

実は、排卵を左右するのは「卵巣の元気さ」だけではありません。
自律神経とホルモンのバランス、血流、体温、そして心の安定――すべてが影響しています。

体が冷えていたり、ストレスで交感神経が優位になっていると、
脳からのホルモン指令がスムーズに伝わらず、排卵リズムが乱れがちになります。

だからこそ、「整える妊活」が大切なのです。

  • 朝の深呼吸と軽いストレッチで血流を促す
  • 夜はスマホを早めに手放して、副交感神経を優位にする
  • 生理中は無理せず、体を温める食事(生姜・根菜・味噌汁など)を心がける

こうした小さな積み重ねが、やがて自然な排卵リズムを取り戻してくれます。

実際に、整骨院に来られた方の中には、
排卵誘発剤を一度やめて、体調を整えることに専念したところ、
数ヶ月後に自然排卵が安定し、自然妊娠された方もいらっしゃいます。

「薬を使う・使わない」は“正解”ではなく“選択”

排卵誘発剤を使うことは、決して悪いことではありません。
医学的に見ても、タイミング法や人工授精のサポートとしては有効です。

でも、それがあなたの心や体に負担をかけてしまうなら、
一度立ち止まってみてもいいのです。

「どんな方法で妊娠したいか」を、自分の心に問いかけてみてください。
焦りではなく、納得感を持って選んだ方法なら、結果が出るまでの時間も穏やかに過ごせます。

妊活は「頑張る」ものではなく、「整える」もの
薬を使う・使わないにかかわらず、あなたの体はちゃんと前を向いています。

4. 卵管をサポートする体づくりと血流改善

卵管は、長さ約10cmほどのとても繊細な器官です。
このわずかな管の中で、卵子と精子が出会い、命が誕生する――。
まさに「生命のトンネル」といっても過言ではありません。

そして、この卵管の働きを守るカギとなるのが、骨盤の中の環境です。
骨盤そのものは、子宮や卵巣、卵管といった大切な臓器を「守る器」。
大事なのはその“中身”、つまり骨盤内の血流・温度・柔軟性なのです。

血流が良くなると、卵管も元気になる

血液は酸素と栄養を運び、老廃物を流してくれる大切な存在。
しかし、冷えやストレス、長時間の座り姿勢などによって骨盤内の血流が滞ると、
卵管や卵巣の動きが鈍くなってしまいます。

たとえば、排卵時に卵子をキャッチする卵管采(らんかんさい)は、
細やかに動いて卵を取り込みます。
この動きを支えているのが、まさに血流の良さなのです。

つまり、「血流がいい=卵管が柔らかく、よく動く」ということ。
これは妊娠力を高めるうえで欠かせないポイントです。

卵管を助ける「温め・巡らせケア」

妊活中の方におすすめしているセルフケアの中で、
特に効果的なのが「温め」と「巡らせ」です。

  • ① 下腹部を温める
    使い捨てカイロをおへその下あたり(丹田)に貼るのも効果的です。
    日中は骨盤内を温め、夜は湯船で全身を温めてください。
    シャワーだけでは深部まで温まりません。
  • ② 股関節をゆるめる
    1日10分ほど、太ももを回す・足首を動かすなどの簡単なストレッチを。
    股関節がゆるむと、骨盤内の血流がぐんと良くなります。
  • ③ 呼吸を深くする
    ストレスで呼吸が浅くなると、子宮や卵巣への血流が減少します。
    ゆっくり5秒吸って、5秒吐く。これを数回繰り返すだけでも副交感神経が優位になります。

こうしたセルフケアは、毎日コツコツ続けることが何より大切です。
身体は、少しずつ変わっていくもの。
焦らずに「今日も整えてあげよう」という気持ちで取り組みましょう。

東洋医学的アプローチで「骨盤内のめぐり」を整える

当院では、整体や温灸、呼吸調整など、東洋医学の知恵を取り入れた妊活サポートを行っています。
これらの目的は、「骨盤内の血と気の巡りを良くし、卵管や子宮の働きを整えること」です。

特に温灸は、卵巣や卵管の周囲の筋肉をゆるめ、内臓を深部から温める効果があります。
「温かさ」を感じると、身体も安心してホルモンバランスが整いやすくなります。

また、食事も血流を左右する大切な要素です。

  • 鉄分:レバー、赤身肉、ひじき
  • たんぱく質:卵、大豆、魚
  • 抗酸化食材:緑黄色野菜、ベリー類

これらを意識して摂ることで、卵管や卵巣の細胞が元気になります。
つまり、「血が変われば、骨盤内の環境も変わる」のです。

外側の骨格よりも、内側の巡りを整える。
それが、当院が考える「授かる身体づくり」です。

5. 心のケア──「片方しかない」ではなく「まだある」と捉える

子宮外妊娠を経験された方のお話を伺っていると、
「私はもう半分しか残っていない」「欠けてしまったような気がする」
そんな言葉をよく耳にします。

でもね、私はいつもこうお伝えします。
「あなたの身体は、ちゃんと“残った卵管”を守ってくれているんですよ」と。

身体は壊れていません。
失った部分を補おうと、他の臓器が一生懸命働いてくれている。
それが人の体の素晴らしさです。

不安や罪悪感を手放すことから始めよう

多くの方が、「あのとき、もっと早く病院へ行っていれば…」と、
自分を責めてしまいます。
けれど、それはあなたのせいではありません。
子宮外妊娠は、誰にでも起こりうることで、予防できるものではないのです。

そして、身体は過去の出来事を恨んではいません。
今もなお、あなたの中で新しい命を迎えられる準備をしてくれています。
だから、少しずつでもいい。
「もう一度、身体を信じてみよう」と思える日が来たら、それが再スタートの合図です。

「まだある」と思えた瞬間に、身体は変わる

心理学的にも、言葉や意識の持ち方は体の反応に影響します。
「片方しかない」と思うと、無意識のうちに身体は“欠けている”と感じてしまいます。
けれど、「まだ一つ残っている」と思うと、身体は“可能性がある”という方向に動き出します。

思考とホルモン、そして自律神経は深くつながっています。
心の中の小さな希望が、実際のホルモン分泌や血流にまで影響するのです。

だからこそ、私はこうお伝えしたい。
「希望を持つことも、立派な妊活です」

自然妊娠された方に共通していた“心の状態”

これまで当院で自然妊娠を果たされた方々に共通していたのは、
特別な治療法や高価なサプリではなく、
「心の在り方」でした。

彼女たちは、みんなこう話してくれました。

「もうダメかもしれないって思った日もありました。
でも、先生に『あなたの身体はちゃんと頑張っているよ』って言われた時、
涙が出ました。あの日から、少しずつ自分の身体を信じられるようになりました。」

身体は、自分を信じた瞬間から回復を始めます。
そして、その優しい信頼が、やがて「命を迎える力」へと変わっていくのです。

焦らずに、いまの身体を整える時間を

妊活は「急ぐ」ものではなく、「整える」ものです。
その途中で涙があっても、立ち止まっても大丈夫。
大切なのは、“身体と心が同じ方向を向くこと”です。

あなたの身体は、もう十分に頑張っています。
どうか、自分を責めずに、ゆっくりと呼吸を整えてみてください。
その瞬間から、少しずつ妊娠への準備が始まっています。

6. 中村和仁からあなたへ──希望を手放さないで

これまで、子宮外妊娠を経験され、片方の卵管を失った方を何人も見てきました。
そのたびに感じるのは、人の身体が持つ「再生の力」の大きさです。

最初は、涙ながらに「もう妊娠できないかもしれない」と話していた方が、
半年後、穏やかな笑顔で「先生、できました!」と報告に来てくださる。
その瞬間に立ち会うたび、私は身体の可能性を信じずにはいられません。

妊娠は「奇跡」ではなく、「自然の流れ」

私がいつもお伝えしているのは、
妊娠は奇跡ではなく、身体が本来もっている自然な働きの延長にあるということです。

私たちの身体は、常にバランスを取ろうとしています。
血流を整え、ホルモンを調整し、必要な栄養を届け、余分なものを排出する。
その力を信じ、サポートしてあげるだけで、身体は自然に“授かる準備”を始めてくれます。

つまり、あなたの身体は「妊娠できる力」を今も持っているということ。
失われたものよりも、今、確かに動いている生命の力に目を向けてほしいのです。

身体を信じることが、いちばんの妊活

私たちは不安になると、つい外に答えを探しがちです。
けれど、本当に必要なのは、自分の身体と向き合い、信頼することです。

あなたの身体は、あなたを見放していません。
むしろ、必死にあなたを守り、支えています。
生理があること、体温が上がること、眠くなること――それらはすべて、
「ちゃんと生きているよ」という身体からのサインなのです。

どうか、そのサインに耳を傾けてあげてください。
焦りや不安でいっぱいのときほど、「大丈夫、私はまだここにいる」と
自分の身体に語りかけてあげてください。

あなたの妊活は、誰かの希望になる

妊活をしていると、自分だけが取り残されたように感じることがあります。
でも、あなたの歩みは、必ず誰かの勇気になります。
同じように悩んでいる人たちが、あなたの前向きな姿に励まされ、
「私ももう少し頑張ってみよう」と思えるのです。

だからこそ、どうか希望を手放さないでください。
希望とは、結果を信じることではなく、今日という日を信じる力のことです。

最後に──あなたの未来に向けて

「卵管が片方しかない」と聞くと、不安になるのは当然です。
でも、それは“終わり”ではなく、“始まり”です。
あなたの身体は、もう一度命を迎える準備を着々と進めています。

焦らず、恐れず、信じる力を持って。
私も、そしてあなたの身体も、いつだって味方です。

加賀整骨院 院長 中村 和仁

この記事のまとめ

  • 卵管が片方でも自然妊娠は十分可能!
  • 卵管采が左右どちらの卵巣からも卵をキャッチできる
  • 卵管造影で通過性が確認できれば妊娠のチャンスあり
  • 排卵誘発剤は体調とのバランスを見て選択を
  • 骨盤内の血流・温度・柔軟性を整えることが重要
  • 温め・呼吸・股関節ケアで卵管の働きをサポート
  • 「片方しかない」ではなく「まだある」と捉える心の力
  • 焦らず、身体を信じて整えることが妊娠への近道
  • 妊娠は奇跡ではなく、身体が持つ自然な力
  • 希望を手放さず、今日を信じて前へ進もう!
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