【体験談】不妊治療中に妊娠した友達と距離を置きたくなった理由とその後

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誰にも言えないモヤモヤ。
それは、心の奥底に静かに沈んでいくような、言葉にできない痛み。
不妊治療をしていると、日常のふとした会話や、友達の何気ない一言に、心が揺さぶられることがあります。

とくに、それが「大好きな友達」からの言葉だった時――
どこに感情を置けばいいのか分からなくなることも、あるのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、実際に不妊治療を続けている女性が「妊娠した友達」との関係に悩んだエピソード。
相手を嫌いになったわけじゃない、でも、そばにいるのがつらくなってしまった。
その“心の距離感”について、どう向き合っていったのかをお伝えします。

この記事を読むとわかること

  • 不妊治療中に友達との関係で感じやすい葛藤
  • 無神経な発言への対処法と心の守り方
  • 距離を置くことが友情を壊すことではない理由

1. 不妊治療3年目の私と、妊娠した友達との関係

結婚して6年。
そのうちの半分を、不妊治療とともに過ごしてきました。

タイミング法から始まり、人工授精、体外受精…。
カレンダーには診察の予定がぎっしり。
排卵日を気にして、薬を飲み、注射を打ち、期待しては落ち込んでの繰り返し。
それでも、「いつか、私の元にも赤ちゃんが来てくれる」――
そんな気持ちを支えに、日々を過ごしていました。

そんなある日、昔からの友達が何気なく尋ねてきたんです。
「ねぇ、子供欲しくないの?」

心にチクリと刺さる言葉でしたが、彼女に悪気がないのは分かっていました。
だからこそ、その頃(不妊治療を始めて1年半ほど経った頃)、
私は思い切って彼女に治療のことを打ち明けました。

彼女は「そうなんだ、ごめんね、無神経だったね」と
しっかり謝ってくれて、理解を示してくれたようでした。

ただ、気になったのはそのあとに出た言葉。
「私も生理不順で、占いで“流産しやすい”って言われたから不安な気持ち分かるよ。」

……ん?と思いました。
不妊治療と“占いで言われた不安”を同列にされてしまった気がして、
なんとなく、モヤモヤが残りました。
でも私は、笑って「そうなんだ〜」とその場を流しました。
本音を伝えるのが、なんとなく怖かったのです。

2. 妊娠報告と「無神経な言葉」たち

それからしばらくして、その友達から妊娠の報告がありました。
「やっと授かれたよ!嬉しくてすぐに伝えたくて!」
心からの喜びの声。きっと、ずっと伝えたくて仕方なかったんだと思います。

私は「おめでとう!」と返しました。
もちろん、心から祝福したい気持ちはありました。
でも、その直後に押し寄せてきたのは――
胸の奥に差し込む、ほんの少しの「羨ましさ」。

だけど不思議と、「なんで私だけ…」というような怒りや悲しみは湧きませんでした。
私は私、彼女は彼女。それぞれのタイミングがある。そう自分に言い聞かせていました。

しかし、その後の会話の中で、思いもよらぬ言葉が飛び込んできたのです。

「妊娠したらしたで、周りのプレッシャーが重いよ〜」
「重症妊娠悪阻で入院して、マジで辛かった〜」
「いっそ妊娠してなかったときに戻りたいって思っちゃった…」

……一瞬、言葉が出ませんでした。
私が、何年もかけて必死に手に入れようとしている“妊娠”を、
まるで「辛いもの」として語られることに、どう反応していいか分かりませんでした。

もちろん、妊娠・出産には辛さもある。
悪阻や体調不良で苦しむことだってあるし、メンタルが不安定になることもある。
それを「大変だった」と正直に話してくれることが悪いわけじゃありません。

でも――
「今の私に、その言葉はちょっときついな」と感じてしまったのです。
彼女も、そんなつもりじゃなかったのは分かっています。
でも、それでも、心のどこかに引っかかってしまったんです。

不妊治療をしている最中は、ちょっとした言葉の棘が、
普段よりも深く刺さることがあります。
それは、自分の心が弱いからではありません。
一生懸命に頑張っているからこそ、繊細になってしまうのです。

3. 喜べない自分を責めないで

妊娠した友達を素直に祝福できない。
そんな自分を「心が狭い」「性格が悪い」と責めてしまう方は、とても多いです。

でも、はっきり言わせてください。
それは、悪いことではありません。
むしろ、それだけあなたが「自分の感情に真っ直ぐ」だからこそ、出てくる自然な反応なんです。

友達の幸せを喜びたい気持ちと、
「私にはまだその幸せが訪れていない」という現実。
その狭間で揺れる心は、決してあなた一人だけのものではありません。

SNSを見れば、キラキラしたマタニティライフや、赤ちゃんとの幸せそうな投稿があふれていて、
「こんなに妊娠って簡単なものだったっけ?」と、心がざわつくこともあるでしょう。

だけど、他人の幸せと自分の現実を比べて落ち込む必要なんて、どこにもありません。
それぞれにペースがある。
そして、あなたも“今この瞬間”、確かに前に進んでいるのです。

喜べない日があってもいいんです。
嫉妬してしまう夜があってもいいんです。
「羨ましい」と感じるのは、それだけあなたが真剣に赤ちゃんを望んでいる証拠なんですから。

だから、どうか自分を責めないでください。
心が揺れたら、そっと自分の感情に寄り添ってあげてください。
それが、あなたの心を守るために必要な「優しさ」なのです。

4. 旅行の誘いと、「距離を置く」という選択

妊娠を報告してきたその友達から、こんなお誘いがありました。
「安定期に入ったから、久しぶりに一泊で旅行行こうよ!」
声は明るくて、いつもの彼女らしい軽やかさがありました。

でも、私は心のどこかでザワつきを感じていました。
「うれしい」と感じるよりも、「今は一緒にいたくないかも…」という気持ちの方が大きかったのです。

一緒に行けば、話題の中心はきっと妊娠のことになるでしょう。
身体の変化、赤ちゃんの話、出産への不安、ベビーグッズの話。
それは当然の流れです。彼女にとって今一番大きな出来事なのですから。

でも、今の私には、それを穏やかに聞ける心の余裕がありませんでした。
彼女が悪いわけじゃない。
でも、自分の心がついていけないことも、確かにあったのです。

「本音を伝えて距離を置くべきか?」
「何も言わず、フェードアウトするべきか?」
答えはすぐには出ませんでした。

ただ一つ分かったのは、「私は今、無理をしてこの関係を続けようとしている」ということ。
それに気づいたとき、ふっと心が軽くなりました。

無理に付き合い続けることが、友情ではありません。
時には距離を取ることが、自分を守り、関係を壊さないために必要な選択になることもあるのです。

5. 心の距離を保つことで、見えてきたこと

旅行には結局、行きませんでした。
「ごめんね、ちょっと体調がすぐれなくて」とだけ伝えて、やんわりと断りました。

それからしばらく、LINEもこちらからは送らず、彼女からの連絡も徐々に減っていきました。
正直、少し寂しい気持ちもありました。でも、ホッとした部分も確かにありました。

その距離があるからこそ、私は少しずつ冷静に、自分の気持ちと向き合うことができました。
「彼女を嫌いになったわけじゃない。むしろ今でも、大切な存在だと思っている。」
「でも、今の私には“彼女の妊娠”をまっすぐ受け止める余裕がなかった。」
その事実を、自分の中で整理できるようになったのです。

感情って、整理する時間がないと、どんどん絡まっていきます。
「なんでこんなふうに思ってしまうんだろう」
「なんで素直に喜べないんだろう」
そう自分を責めてしまうと、心が疲れてしまう。

でも、物理的にも心の距離を少し置くことで、初めて見えてくるものもあります。
「今は一緒にいない方が、お互いのためかもしれない」
「それでも、またいつか笑い合える日が来るかもしれない」
そんなふうに、未来を少しずつ信じられるようになりました。

距離を置くことは、関係を壊すことじゃありません。
むしろ、未来のために今できる“優しい選択”でもあるのです。

6. 不妊治療中の人に伝えたいこと

もし、あなたが今、不妊治療の真っ只中で、
友達の妊娠報告や何気ない言葉に心が揺れているなら――
どうか、まずは自分の心を一番に守ってあげてください。

友達付き合いも大事。
でも、それ以上に大切なのは、あなた自身の感情と身体です。

人間関係も「体調管理」の一部です。
「今は少し距離を置こう」と思ったら、それは決して冷たいことではありません。
むしろ、自分の状態をきちんと見つめている証拠です。

私たちは、誰かの期待に応えるために生きているわけではありません。
無理に笑顔をつくる必要も、無理に話を合わせる必要もないんです。

「本当は行きたくない」
「その話題を聞くのは今はつらい」
そう思ったら、自分の心に正直になっていいんです。

離れることが必要なときもあれば、また戻ってこれる日が来るかもしれない。
その時々の感情に従って選択していくことで、あなた自身が少しずつ元気になっていきます。

今は“治療”だけでなく、“自分の心のケア”も必要なときです。
あなたが少しでも穏やかな日々を過ごせるように、心から願っています。

まとめ:不妊治療中こそ、自分を一番に考えていい

不妊治療中は、ただでさえ身体にも心にも負担がかかっています。
そんな中で、人間関係にも気を遣いすぎてしまうと、本当に大切なものが見えなくなってしまうことがあります。

大好きな友達だからこそ、距離を取りたくない。
でも、それが「今の自分を守るために必要」だと感じたなら、
その気持ちに正直になっても、何も悪くありません。

友情とは、常にベッタリと寄り添い続けることではなく、
お互いの立場や心の状態を尊重し合える関係であることだと思います。

「距離を置く」ことは、関係を壊すことではなく、
未来のために選ぶ「やさしさ」でもあるのです。

どうか、自分の心を一番に考えてください。
あなたは十分に頑張っています。
少しでも、今日という日を穏やかに過ごせますように――。

この記事のまとめ

  • 不妊治療中の繊細な心の動きと友人関係の難しさ
  • 妊娠した友人の言動に感じたモヤモヤの正体
  • 無理に関係を続けない選択も“優しさ”の一つ
  • 距離を置くことで気づけた自分の本音
  • 自分の心を守ることはわがままではない
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