「最近、生理が来ていない…」
そんな不安を胸に、スマホを手にされたあなた。
もしかしたら、仕事や家事に追われる日々の中で、いつの間にか自分の体の声を聞きそびれてしまっていたのかもしれません。
月経は、女性の身体が「ちゃんと働いていますよ」と教えてくれる、大切なリズムです。
それが止まってしまうということは、体からのSOSのサインかもしれません。
今回は「無月経」について、妊活アドバイザーでもある私が、やさしく丁寧に解説いたします。
この記事を通じて、少しでもあなたの不安が和らぎ、前向きな一歩が踏み出せますように。
無月経とは?|「生理が止まる」状態の定義
無月経とは、医学的には「3か月以上、月経が来ていない状態」のことを指します。
それまで規則的に来ていた生理が急に止まったり、周期が乱れた末に来なくなったりするケースもあります。
この状態は、単なる「不調」ではなく、身体のホルモンバランスや子宮・卵巣の機能に何らかの異変が起きている可能性があります。
特に注意が必要なのは、生理が3ヶ月以上来ていないのに、日常生活が忙しくてそのままにしてしまっているケースです。
「そのうち戻るだろう」と思って放置してしまうと、将来の妊娠や更年期のトラブルにもつながりかねません。
「生理が止まる」というのは、身体からの真剣なメッセージ。
その声に耳を傾けて、正しく向き合うことが、健康な未来につながっていきます。
無月経の種類|「原発性」と「続発性」の違いとは?
無月経には、大きく分けて2つの種類があります。
それが「原発性無月経」と「続発性無月経」です。
この2つの違いを知ることは、ご自身の状態を把握するうえでとても大切です。
◆ 原発性無月経とは
原発性無月経は、18歳を過ぎても一度も月経が来たことがない状態を指します。
思春期を迎えても初潮が見られない場合、染色体異常や子宮・卵巣の発育不全、ホルモン分泌の異常などが背景にある可能性があります。
ご自身で気づくのが難しいことも多いため、10代後半になっても生理が来ない場合は、早めに婦人科で相談されることをおすすめします。
◆ 続発性無月経とは
続発性無月経は、それまであった月経が3か月以上停止してしまう状態です。
成人女性に多くみられ、日々の生活習慣やストレス、ダイエット、ホルモンバランスの乱れなどが主な原因とされています。
「一時的なものだろう」と放っておく方も少なくありませんが、生殖機能や女性ホルモンの働きに支障をきたしている可能性があります。
妊娠を望む方にとっては、特に早期の対応が重要です。
どちらのタイプであっても、「生理がこない」という事実は、決して軽視できない体のサイン。
「なんとなく不安…」という気持ちを持った今が、見直しのタイミングかもしれません。
無月経の主な原因|生活習慣からホルモンバランスまで
無月経の原因は一つではありません。
生活習慣の乱れから、身体の内側のホルモン環境の変化、さらには精神的なストレスまで、実にさまざまな要因が絡み合っています。
以下に主な原因を挙げ、それぞれ解説していきます。
◆ 1. 過度なダイエット・体重減少
「あと3キロ痩せたい…」という気持ちから、食事制限をしすぎていませんか?
過度なダイエットは、身体にとって「栄養が足りない=妊娠する準備ができない」と判断され、排卵や月経が止まってしまうのです。
特にBMIが18未満になると、ホルモンの分泌に影響が出やすくなります。
◆ 2. 激しい運動・身体への負担
スポーツ選手や運動量の多い方に起こりやすいのが、「運動性無月経」。
エネルギーの消費量が摂取量を大きく上回ると、身体が防衛反応を示し、生理機能を一時的に停止させることがあります。
◆ 3. 強いストレスや心の負担
仕事や人間関係、将来への不安など、心のストレスも無月経の大きな原因です。
脳の視床下部という部位がストレスに反応し、ホルモンの指令を止めてしまうためです。
この状態は「視床下部性無月経」と呼ばれます。
◆ 4. ホルモンバランスの乱れ
卵巣や下垂体、甲状腺などのホルモンに異常があると、排卵がうまくいかず無月経になることがあります。
中でもよく見られるのが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や、高プロラクチン血症などです。
◆ 5. その他の要因(薬の副作用・疾患など)
ピルや抗うつ薬、抗精神病薬など一部の薬剤の副作用でも月経が止まることがあります。
また、甲状腺機能異常や糖尿病、下垂体腫瘍などの病気が関係している場合もあるため、放置せず専門医に相談することが大切です。
このように無月経の背景には、「がんばりすぎた自分」がいることがほとんどです。
身体は正直です。
一度立ち止まって、自分の心と体に「今、どうしてほしい?」と問いかけてあげてくださいね。
無月経を放っておくとどうなる?|女性の健康への影響
「生理が来なくても、別に不便じゃないし…」
そんなふうに思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、無月経はただの“生理がない状態”ではなく、女性の身体の機能が何かしらの理由でストップしている状態なのです。
このまま放置してしまうと、将来にわたって様々なリスクが生じる可能性があります。
◆ 骨粗しょう症のリスク
女性ホルモン(特にエストロゲン)は、骨の健康を保つうえで欠かせません。
無月経が続くとエストロゲンの分泌が減少し、骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクが高まります。
若くして骨がもろくなると、将来の骨折や関節の痛みにもつながります。
◆ 不妊のリスク
月経が止まっているということは、排卵が起こっていない可能性が高いということ。
つまり、自然妊娠は非常に難しくなります。
無月経の状態が長引けば、それだけ妊娠のチャンスも遠のいてしまいます。
特に妊活中の方にとっては、早期のケアがとても大切です。
◆ 更年期の早期化
ホルモンバランスが乱れた状態が長期間続くと、「仮性更年期」と呼ばれるような症状が現れることがあります。
例えば、のぼせ・発汗・不眠・イライラなど、更年期のような症状が早い段階で起こることも。
これは決して年齢の問題ではなく、ホルモンの働きによるものなのです。
◆ 女性らしさの喪失感
生理が止まることによって、女性としての自信を失ってしまう方も少なくありません。
「私、ちゃんと女でいられてるのかな…?」という思いが、心にも影を落としてしまうことがあります。
でも、それを自分だけで抱え込む必要はありません。
きちんと身体の声に向き合い、ケアしていけば、女性らしさは必ず戻ってきます。
無月経は、放っておいていいものではありません。
むしろ、「今、体が立ち止まってくれてよかった」と思えるチャンスかもしれません。
自分の未来を守るためにも、勇気を出して一歩踏み出してみませんか?
無月経の改善法とは?|自然に生理を取り戻すためにできること
無月経を改善するためには、ただ薬を飲むだけではなく、生活全体を見直すことがとても大切です。
身体は、あなたの生活そのものの“写し鏡”。
まずはできることから、少しずつ取り組んでいきましょう。
◆ 1. 食生活の見直しと栄養の充実
栄養が足りないと、身体は「赤ちゃんを育てる余裕がない」と判断し、月経を止めてしまいます。
特に、鉄・亜鉛・ビタミンD・タンパク質・脂質は、女性ホルモンの分泌に欠かせない栄養素。
極端なカロリー制限は控え、バランスよくしっかり食べることが大切です。
◆ 2. 冷えの改善と温活
冷えは女性の大敵。
骨盤内の血流が悪くなると、卵巣や子宮の働きにも影響が出てしまいます。
温かい飲み物を選んだり、湯船にゆっくり浸かったり、腹巻や靴下を活用して身体を内側から温めましょう。
◆ 3. ストレスケアと心のゆとり
ホルモンは、脳の視床下部からの指令によって分泌されています。
つまり、精神的なストレスが脳を緊張させると、排卵や月経がストップしてしまうのです。
趣味の時間を作る、自然の中で深呼吸する、話を聞いてもらう…。
「気持ちが落ち着く時間」を意識して取り入れてみてくださいね。
◆ 4. 東洋医学・整体・整骨のアプローチ
私たち整骨院では、無月経の改善に向けた身体のバランス調整も行っています。
骨盤の歪みを整え、血流や自律神経の流れを良くすることで、ホルモンの巡りを助けることができます。
また、鍼灸や漢方など東洋医学の知恵も、無月経に悩む女性を多く助けてきました。
◆ 5. 医療機関への相談も大切に
症状が長引いていたり、自力での改善が難しいと感じたら、婦人科への受診も選択肢に入れてください。
血液検査やエコー検査などで、ホルモンの状態や卵巣の機能を正確に調べてもらうことができます。
専門的な視点と、あなたの“自然な回復力”を組み合わせることが、最も安心できる道です。
無月経を乗り越えた先には、もっと自分を大切にできる未来が待っています。
焦らず、ゆっくり、でも確実に。
あなたの体は、ちゃんと応えてくれますよ。
妊活中の方へ~無月経とどう向き合うか?
「赤ちゃんが欲しいのに、生理が来ない…」
そんな焦りと不安の中で、心が疲れてしまっていませんか?
妊活中に無月経になると、「どうして私だけ…」「もう無理かもしれない」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
でも、どうか忘れないでください。
無月経は“終わり”ではなく、“身体を整えるための一時停止”かもしれません。
今は焦って結果を求めるより、あなた自身の心と体を優しくケアすることが、なによりも大切な“妊活”なのです。
◆ 妊娠するための準備期間だと捉えてみて
「排卵がない=妊娠できない」と考えがちですが、排卵は回復することも十分可能です。
生理が来ない今の時期は、身体が妊娠の準備をするためにリセット期間に入っているとも言えます。
この時期に、栄養・睡眠・リラックスを意識して体を立て直すことが、のちの妊娠力を高める土台になります。
◆ 無理な治療よりも、まずは「整える」こと
病院での不妊治療に進む前に、“自然妊娠できる身体”に整えることも大切です。
月経は身体からの通信。生理がないということは、そのサイクルが止まってしまっているだけのこと。
根本から見直せば、きっと元に戻ります。
妊娠はゴールではなく、新しい人生のスタート。
その第一歩は、あなた自身を大切にすることから始まります。
赤ちゃんを迎えるために、まずは自分を整えてあげましょう。
まとめ|体からのサインを見逃さず、未来の自分を守ろう
無月経は、ただ生理が来ないというだけの現象ではありません。
それは、あなたの体が「ちょっと待って」と言っているサインなのです。
がんばりすぎた心、無理をしてきた身体――それに気づけた今こそ、本当の意味で自分をいたわるチャンスなのかもしれません。
妊娠を望む方も、そうでない方も、女性の体のリズムを整えることは一生の財産になります。
無月経に気づいたあなたは、すでに一歩前へ踏み出しています。
あとは、焦らず、慌てず、でも諦めずに、自分の体と丁寧に向き合っていくことです。
もし、不安や疑問があれば、どうか一人で抱え込まないでください。
加賀整骨院では、妊活や無月経に悩む女性のサポートを、心を込めて行っています。
“全員が大成幸!”
あなたが元気に笑顔で過ごし、いつか赤ちゃんをその腕に抱ける日が来ることを、心より願っています。

