身体の声を聞き、心を感じる柔道整復師の中村和仁です。西洋医学の知識をベースに、東洋医学の良い所を付け加えたものをお届けいたします。
当院にも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方が多く来院されています。
妊娠が可能な年代の女性の約5~8%に発症すると言われています。
不妊治療をしていて、この病気のせいで、なかなか結果が出ず悩まされているのですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも、妊娠できないわけではありません。
むしろ、きっちり体質改善することができれば、身体が変わり、自力で排卵できるようになります。
これも、難しいのですが、医学的な内容を述べます。
症状は?
月経がない、もしくは月経周期が正常より長く(39~89日)、頻度が少ない。うぶ毛が硬くなって、毛深くなる、にきびが表れる、声が低くなる、陰核肥大、肥満ぎみになる、などの症状が表れます。
内分泌検査では、卵胞刺激ホルモン(FSH)は一定ですが、黄体形成ホルモン(LH)は上昇。
GnRH負荷試験では、卵胞刺激ホルモン(FSH)は一定ですが、黄体形成ホルモン(LH)は上昇。エストロン(E1)は上昇。男性ホルモンである、血液中のテストステロン、アンドロステンジオンが共に上昇。
ゲスターゲン検査にて、第一度無月経であり、
超音波検査にて、多数の卵胞の嚢胞状変化(一側12個以上)が見られる場合。
この場合、「多嚢胞性卵巣症候群である」と診断されます。
西洋医学的治療ではどうするの?
手術する方法と薬物投与する方法があります。
拳児希望の場合だと、他のブログでも書きましたが、
a.薬物療法
①クロミフェン療法
②hMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)
b.手術療法
腹腔鏡下手術で卵巣焼灼と卵巣楔状切除を施します。
このブログを読まれている方にはいないと思いますが、拳児希望でない場合だと、ゲスターゲンの周期的投与で消退出血を起こさせます。
というのが、クリニックで施される治療です。
東洋医学的治療ではどうするの?
肥満ぎみの場合は、まず減量を含めた食生活の改善が必要となります。
多嚢胞性卵巣症候群を東洋医学的な視点からみると、瘀血(おけつ)体質で、血のめぐりが悪くなっている、と言われます。
瘀血の傾向としては、固くなる、黒ずむ、痛む、といった症状が出やすくなりますが、多嚢胞性症候群の場合も、卵巣の表面が固くなり線維化することにより、卵が出ること(排卵)が出来なくなるために卵がたまるといった現象がみられ、まさに瘀血の症状が当てはまります。
また、多嚢胞性卵巣症候群においては、高プロラクチン血症を併発している場合が多く、イライラしやすくなったり、不眠症になったり、乳房が腫れたりしやすくなったり、便秘になったりします。プロラクチンは血液を母乳に替えるためのホルモンなので、子宮内膜も薄くなり、体外受精をしても着床しにくくなります。
漢方薬局などでは、
を処方されることも少なくありません。
が、瘀血を排出させるのは簡単なので、深刻になる必要もありません。
最も、大切なのは、ご主人を愛する気持ちです。
ご主人への愛が、奥さんの女性ホルモンを、より強力にしてくれますよ。
いつまでも、夫婦仲良くいて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。