「これだけ頑張ってるのに、どうして…?」
不妊治療を受けている多くの女性が、そんな言葉を口にされます。
世界的に見ても、日本は体外受精の治療件数が群を抜いて多い“治療大国”です。にもかかわらず、妊娠・出産にまで至る成功率は、先進国の中でも驚くほど低い水準。
それは一体、なぜなのでしょうか?
この記事では、データに基づいた日本の不妊治療の現状をお伝えしながら、「治療だけではうまくいかない」理由を掘り下げていきます。そして、妊娠という奇跡に近づくために、本当に必要な“整える”という考え方について、皆さんと一緒に見つめ直していきましょう。
第1章:日本は“世界一の不妊治療件数”を誇る国
2021年、日本国内で行われた体外受精(IVF)は、年間で45万件を超え、世界でも群を抜く件数でした。
治療を受けられる医療機関の数も非常に多く、都市部だけでなく地方でも比較的アクセスしやすいのが特徴です。
また、日本では30代後半から40代にかけて初めて妊活を始める夫婦が増加しています。
その背景には、キャリアやライフスタイルの変化、晩婚化の影響などがありますが、結果として治療を受ける年齢が高くなる傾向があります。
第2章:それでも結果が出ないのはなぜか?
件数は世界一、でも成功率は…?
実は、体外受精による「生児獲得率(実際に赤ちゃんを抱っこできる確率)」は、日本ではわずか5〜6%程度といわれています。
この数字は、欧米諸国の倍以上の治療回数を重ねてもなお、成功率が上がらないという現実を物語っています。なぜこんなにも結果が出にくいのでしょうか?
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- ① 治療の開始年齢が高い
妊活を始める平均年齢が35歳を超えると、卵子や精子の質の低下が避けられません。特に卵子は年齢の影響を受けやすく、40歳を過ぎると妊娠率は大きく下がります。
- ① 治療の開始年齢が高い
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- ② 医療機関の経験差が大きい
年間100件以下の治療しか行っていない施設が非常に多く、医師の技術や胚培養士のスキル、設備に大きなばらつきがあります。治療件数が多い=成功率が高いとは限らないのが現実です。
- ② 医療機関の経験差が大きい
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- ③ 制度的な限界
日本ではドナー卵子・ドナー精子を使った治療の選択肢が極めて限られており、卵子の老化が進んだ女性にとって治療の“手詰まり”が早く訪れてしまいます。
- ③ 制度的な限界
- ④ 経済的・心理的負担
保険適用があるとはいえ、補助金では足りず、高額な治療費を何度も払う現実。加えて、結果が出ないことへの精神的ストレスが妊娠力にも影響を及ぼします。
第3章:不妊治療に足りないのは“整える”という視点
治療件数が多くても結果が出ない――。この現実に直面したとき、私たちが本当に見直すべきは「医療技術」ではなく、むしろ“身体の状態”そのものかもしれません。
妊娠とは、単なる医療処置ではありません。
赤ちゃんを迎えるために、女性の体と心がしっかり整い、自然なホルモンバランスが取れている状態が必要です。
ここでいう「整える」とは、決して特別なことではありません。
日々の食事、睡眠、運動、そして心のゆとり…それらの積み重ねが“妊娠しやすさ”を育てるのです。
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- ① 卵子や精子の質を高める生活とは?
冷えを改善し、血流を良くすること。栄養バランスの取れた食事を心がけること。十分な睡眠と規則正しい生活がホルモンバランスを整え、卵子の成熟を促します。
- ① 卵子や精子の質を高める生活とは?
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- ② ストレスは妊娠の大敵
忙しさや結果への焦りは、自律神経やホルモン分泌に大きな影響を及ぼします。副交感神経が優位になる時間を意識的に作ることが、妊娠力を高める第一歩。
- ② ストレスは妊娠の大敵
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- ③ 子宮・卵巣への血流を促す
適度な運動、ストレッチ、骨盤の歪みを整えることで、子宮や卵巣の環境が良くなり、自然な排卵や着床を助けます。
- ③ 子宮・卵巣への血流を促す
- ④ 身体の声に耳を傾ける
生理周期が乱れていないか、基礎体温は安定しているか、排卵は起こっているか…
治療の前に、まずは自分自身のリズムを知ることが大切です。
第4章:実際に“整える”ことに取り組んだらどう変わる?
当院でも、「まず整えること」から妊活を始めたご夫婦がたくさんいらっしゃいます。
その中で実際にあった変化をご紹介します。
- ☑ 基礎体温が二層に安定し、排卵日が明確に
- ☑ 頻繁だった生理不順が改善
- ☑ 冷えやむくみが軽減し、子宮周りの温かさを実感
- ☑ 気持ちが落ち着き、夜ぐっすり眠れるように
- ☑ 自然妊娠に成功!(体外受精に踏み切る前に妊娠された方も)
もちろん、整えたからといって“すぐに”結果が出るわけではありません。
でも、自分の身体と心に丁寧に向き合い、整えていくプロセスこそが、妊娠という新しい命のスタートラインなのです。
まとめ:治療よりもまず“整える”という選択肢を
世界一の治療件数を誇る日本。しかし、その裏側には、数字では測れない「整っていない身体と心」が隠れていることがあります。
焦らなくていい。
あなたの体は、ちゃんと声をあげてくれています。
その声に耳を傾け、治療の前に「整える」ことを選んでみてください。
赤ちゃんを迎える準備は、病院の中だけで整うものではありません。
あなたの生活の中にこそ、本当に大切な妊活のヒントがあるのです。
未来のお母さんへ。
どうかその身体と心を、ゆっくり、やさしく整えてあげてください。
赤ちゃんは、整った心と体にやってきますよ。

