「卵管が詰まっている」と医師から告げられたとき、多くの方が頭をよぎるのは「もう自然妊娠はできないの?」という不安ではないでしょうか。
確かに、卵管は精子と卵子が出会う場所であり、妊娠にとって重要な役割を担っています。しかし、片側が詰まっていても、もう片側が元気なら自然妊娠は可能です。そして、たとえ両側が閉塞していたとしても、現代の医療や自然療法には希望があります。
この記事では、卵管閉塞の種類や原因、自然妊娠の可能性、そして対策について、妊活アドバイザーの視点からやさしく丁寧に解説していきます。
この記事を読むとわかること
- 卵管閉塞の原因と片側・両側の違い
- 閉塞していても自然妊娠が可能なケース
- 治療法と体質改善で妊娠力を高める方法
卵管閉塞とは?その種類と原因
「卵管閉塞」とは、卵子と精子が出会う通り道となる卵管が詰まってしまう状態のことです。
この障害は不妊の原因のひとつとして知られており、本人が気づかないまま進行していることもあります。
ここでは卵管閉塞がどのような状態で起こるのか、そして原因にはどんなものがあるのかを詳しく解説していきます。
卵管の役割と構造
卵管は子宮の左右に一本ずつ存在する長さ約10cmの細い管です。
卵巣から排卵された卵子をキャッチして子宮へ運ぶという、妊娠において極めて重要な役割を担っています。
また、精子と卵子が出会い受精するのもこの卵管内であり、ここが機能不全になると自然妊娠は難しくなります。
なぜ卵管は詰まるのか?~主な原因と背景~
卵管閉塞の主な原因はクラミジア感染症や子宮内膜症、腹腔内手術の癒着などです。
特にクラミジアは症状がないまま進行することが多く、感染に気づかず不妊の原因となるケースが少なくありません。
また、骨盤内の炎症や手術歴がある場合にも、卵管周囲の組織が癒着し、通り道をふさいでしまうことがあります。
片側だけ?両側とも?~閉塞の種類~
卵管閉塞には片側性と両側性があります。
片側の卵管が閉塞していても、もう一方が正常であれば自然妊娠の可能性は十分にあります。
一方、両側の卵管が閉塞している場合は、自然妊娠が難しくなり、治療や体外受精の検討が必要です。
卵管が詰まっていても自然妊娠できる可能性
「卵管が詰まっている」と聞くと、自然妊娠は無理だと感じてしまう方が多いかもしれません。
しかし、片側だけの卵管閉塞であれば、自然妊娠のチャンスはまだ十分にあります。
また、両側閉塞でも医学の進歩により再開通の可能性があり、希望を持って治療に取り組むことができます。
片側卵管閉塞の場合の自然妊娠率
片方の卵管が正常であれば、排卵とタイミングが合えば妊娠は可能です。
反対側の卵管がしっかり機能していれば、左右どちらの卵巣からの卵子もピックアップできることがあります。
妊娠率は健常者よりやや下がるとはいえ、自然妊娠を諦めるには早すぎます。
両側閉塞でも希望がある?~治療と再開通の可能性~
両方の卵管が閉塞している場合でも、手術などによって再開通することがあります。
卵管鏡下卵管形成術では、閉塞部分をバルーンで広げることで通過性を回復させ、約80%のケースで通過性が回復したというデータもあります。
この手術後、約30%の方が妊娠に成功しており、その多くは術後9ヶ月以内に妊娠しています。
体外受精も視野に入れた選択肢
再開通が難しい場合は、体外受精(IVF)という選択肢も非常に有効です。
卵子を体外で精子と受精させ、子宮に戻すため、卵管の通過性には依存しません。
特に、卵管水腫がある場合は、体外受精の前に卵管切除術を行うことで、妊娠率を上げることができます。
自然妊娠に向けてできること
卵管が詰まっていると診断されると、治療に目が向きがちですが、実は日常生活や体の状態を整えることでも妊娠の可能性を高めることができます。
ここでは、体質改善や血流促進、東洋医学など、自然妊娠を目指して「今日からできること」を紹介していきます。
医療との併用でさらに妊娠力を高めるためのヒントも得られるでしょう。
生活習慣の見直しと体質改善
まず取り組みたいのは、食事・睡眠・運動などの基本的な生活習慣の改善です。
特に「冷え」は卵管の通過性や子宮内環境に悪影響を与えるため、体を温めることを意識しましょう。
根菜類や発酵食品を取り入れた温活レシピ、十分な睡眠、ストレスの少ない生活リズムは、ホルモンバランスの安定にもつながります。
骨盤内の血流を改善する施術の紹介
骨盤周囲の血流が滞ると、卵管や卵巣の働きが低下してしまいます。
整体では、骨盤内の血流を促進し、卵管機能を間接的にサポートします。
また、婦人科系に特化した鍼灸院では、ツボ刺激を通じてホルモンバランスを整える施術も人気です。当院で施しているマッサージでは、その両方の効果が期待できます。
東洋医学のアプローチ~整体・鍼灸・漢方~
東洋医学では「気・血・水」の巡りを整えることで妊娠力を高めると考えられています。
特に漢方は体質ごとに処方が変わり、卵管周囲の炎症や癒着を和らげる生薬もあります。
自分の体に合った治療法を見つけることで、西洋医学だけでは得られない新たな妊娠への一歩が見えてくるでしょう。
医療と自然療法の合わせ技で未来を変える
卵管閉塞と診断されたとき、医療か自然療法かの「二者択一」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし、現代の妊活では「医療と自然療法のハイブリッド」が成功のカギとなります。
両者の長所を上手に取り入れることで、心身ともに無理なく妊娠への準備が整います。
治療を焦らず、自分の体と向き合うことの大切さ
医師から治療法を提示されると「すぐにでも結果を出さなければ」と焦ってしまうことがあります。
ですが、妊娠は心と体の準備が整ってはじめて訪れるものと言われています。
まずは自分の体質や生活習慣を見つめ直す時間を持つことが、最短の近道になることもあります。
希望を持つことが妊娠への第一歩
「もう妊娠は難しいかもしれない」と感じてしまった日もあるかもしれません。
でも、再開通手術や体外受精、東洋医学的アプローチなど、多くの選択肢が今は存在します。
自分にとって最善の道を見つけることができれば、可能性はまだまだ広がっているのです。
まとめ:卵管閉塞と診断されても、あなたにはまだできることがある
卵管閉塞は自然妊娠にとって大きな壁のように感じられるかもしれません。
しかし、片側が開通していれば自然妊娠の可能性は十分にありますし、両側閉塞であっても治療により道が開かれるケースも多くあります。
体質改善や東洋医学を併用することで、より自然に妊娠しやすい体をつくることも可能です。
今できることを少しずつ積み重ねることで、妊娠のチャンスは確実に広がっていきます。
焦らず、諦めず、自分に合った治療法と生活習慣を見つけていきましょう。
妊娠への一歩は「できるかどうか」ではなく、「できるように行動するかどうか」です。
この記事のまとめ
- 卵管閉塞の原因は感染症や内膜症など多様
- 片側閉塞なら自然妊娠の可能性は十分あり
- 両側閉塞でも再開通手術で妊娠例あり
- 生活習慣の見直しが妊娠力を高める鍵
- 東洋医学や整体も体質改善に有効
- 医療と自然療法を組み合わせた選択が重要
- 焦らず自分の体と向き合うことが大切
- 妊娠への道は「可能性」ではなく「行動」