妊活中でも「甘いものが欲しい!」そんな気持ちは自然なこと
「妊活中だから甘いものは我慢しなきゃ…」
そう思って、自分に厳しくなりすぎていませんか?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、ホルモンバランスが少しデリケートなため、
どうしても「食べること」や「甘いもの」に罪悪感を感じてしまう方が多いんです。
でも、私はこう思います。
「甘いものが欲しい」と感じるのは、身体がSOSを出しているサインでもあると。
それは、ストレスだったり、エネルギー不足だったり、心の疲れかもしれません。
実際、妊活を続けていく中で、心の安定はホルモンの安定と直結します。
だからこそ、「完全に我慢」ではなく、
“正しく選ぶ”甘味料の知識がとても大切になってくるのです。
この記事では、PCOSの方や妊活中の女性が
「避けたほうがよい甘味料」と「使っていい甘味料」について、
体にやさしく、そして心にもやさしい視点でお話ししていきます。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と甘味料の関係
- 妊活中に避けるべき甘味料と安心して使える甘味料
- 甘味料を変えることで起こる体と心の前向きな変化
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?甘味料と関係あるの?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵がうまく起こりにくくなる体の状態です。
卵巣の中にたくさんの卵胞ができても、なかなか「排卵」まで進めず、
生理が遅れたり、月経がこなかったりすることがあります。
医学的には、インスリン抵抗性という言葉がよく出てきます。
インスリンは血糖値をコントロールするホルモンですが、
PCOSの方はこのインスリンの働きが少し鈍くなっていることが多いんですね。
その結果、血糖値が上がりやすくなり、
身体はそれを下げようとインスリンをたくさん分泌します。
でも実は、その過剰なインスリンが、
男性ホルモン(テストステロン)を増やし、排卵のリズムを乱してしまうんです。
つまり――
「血糖値を急に上げる食べ方」や「質の悪い甘味料の摂取」が、
ホルモンバランスに影響してしまう可能性がある、ということなのです。
「甘いもの=悪い」と思い込む必要はありません。
ただ、“どんな甘味料を、どう摂るか”で、
体の中のホルモンたちの働きが変わってくるんです。
だからこそ、妊活中の方にはぜひ、
「避けたい甘味料」と「選びたい甘味料」を知っていただきたい。
その小さな積み重ねが、ホルモンを整え、未来の命を迎える準備になるのです。
避けるべき甘味料:知らずに使うとホルモンバランスが乱れる!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方にとって、甘味料の選び方はとても大切です。
「自然っぽい」「カロリーゼロ」「体によさそう」── そんな言葉に惑わされて、知らないうちに体を冷やしたり、ホルモンを乱してしまっているケースも少なくありません。
ここでは、できれば避けてほしい甘味料を具体的に見ていきましょう。
① 三温糖・黒糖・きび砂糖:「自然派」に見えても血糖値は急上昇
三温糖や黒糖、きび砂糖などは「自然由来で体に良さそう」と思われがちです。
確かにミネラル分が多少含まれていますが、血糖値の上昇スピード(GI値)は上白糖とほとんど変わりません。
つまり、摂りすぎるとインスリンがたくさん分泌され、
結果的にホルモンバランスを乱す原因になってしまうのです。
「茶色い砂糖=ヘルシー」というイメージは、残念ながら誤解です。
お料理の際に使うなら、砂糖の使用量を少しずつ減らしていく工夫をしてみましょう。
味覚は時間をかけて変わります。
「ちょっと薄味」が、ホルモンにはちょうどいい甘さなんです。
② 人工甘味料(アスパルテーム・スクラロース・アセスルファムKなど)
「ゼロカロリー」や「糖質オフ」と書かれた飲み物やお菓子には、人工甘味料が使われていることが多いです。
確かにカロリーは少ないですが、脳は“甘味”を感じるとインスリンを分泌しようとします。
つまり、「血糖値は上がっていないのに、インスリンが出てしまう」という混乱を引き起こすのです。
これが続くと、体がインスリンに鈍感になり、
結果的にインスリン抵抗性が悪化し、PCOSの症状を強める可能性があります。
また、腸内環境を乱すという報告もあります。
腸のバランスが崩れると、エストロゲン代謝や免疫にも影響が出てきます。
人工甘味料は「カロリーゼロだから安心」と思わず、
“ホルモンバランスを乱すリスクがある”ことを意識して、なるべく避けるようにしましょう。
③ はちみつ・アガベシロップにも注意
一見自然で健康的な印象のある「はちみつ」や「アガベシロップ」も、
実は果糖(フルクトース)を多く含むため、血糖値の乱高下を起こすことがあります。
特にアガベシロップは「低GI」と言われることもありますが、
果糖が肝臓に負担をかけ、脂肪として蓄積しやすいというデメリットがあります。
つまり、「天然=安全」とは限らないのです。
妊活中は、肝臓に負担をかけない甘味料選びがポイントになります。
避けるべき甘味料は、「悪」ではありません。でも、ホルモンを整えたい時期には、体が少しでもラクになれる選択をしてあげましょう。それが、未来の命を迎えるための優しい準備になります。
使っても大丈夫な甘味料:妊活中の体をサポートするやさしい甘み
「甘いものを完全にやめる」のではなく、
“体が喜ぶ甘さを選ぶ”ことが、妊活中の女性にはとても大切です。
ここでは、ホルモンバランスを乱しにくく、血糖値にもやさしい、
妊活中の方におすすめの甘味料を紹介します。
① オリゴ糖:腸を整えてホルモンバランスをサポート
オリゴ糖は、腸内の善玉菌(特にビフィズス菌)のエサになります。
腸内環境が整うと、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンもバランスが取りやすくなります。
特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、腸の動きが弱くなりやすい傾向があります。
便秘やガス溜まりがあると、体内の老廃物がスムーズに排出されず、
結果的にホルモン代謝にも影響してしまうのです。
ただし、オリゴ糖にも種類があり、
「てんさい(ビート)由来のオリゴ糖」がおすすめです。
人工的に作られたものよりも体になじみやすく、腸にやさしいです。
お料理では、煮物や和え物など、砂糖の代わりに小さじ1〜2程度から試してみると良いですよ。
② ラカント(羅漢果由来甘味料):血糖値を上げにくい天然甘味料
「甘いのに血糖値がほとんど上がらない」── そんな夢のような甘味料が、ラカントです。
ラカントは、中国に古くから伝わる果実「羅漢果(らかんか)」から作られており、
血糖値を上げるブドウ糖をほとんど含みません。
そのため、インスリンを過剰に分泌させず、ホルモンバランスを守りながら甘みを楽しめるのです。
お料理にも使いやすく、砂糖と同じ分量で代用できるので、
妊活中の方にも安心しておすすめできます。
特に、煮物や卵焼きなど、甘さを残したい和食にぴったりです。
③ エリスリトール:カロリーゼロでもホルモンにやさしい
エリスリトールはトウモロコシや果物由来の天然の糖アルコールです。
体内ではほとんど代謝されず、そのまま尿として排出されるため、
血糖値をほとんど上げません。
人工甘味料と違い、インスリンを混乱させる作用もなく、
腸内細菌にも悪影響を与えにくい点が特徴です。
ただし、一度に多く摂るとお腹がゆるくなることがあるため、
少量から試すのがコツです。
冷たい飲み物やデザートづくりに使うと、すっきりとした甘さを楽しめます。
④ メープルシロップ・てんさい糖:体を冷やさない自然派の甘さ
妊活中の方には、体を「冷やさない」甘味料もおすすめです。
その代表が、メープルシロップとてんさい糖(ビート糖)です。
特にメープルシロップは、ミネラルやポリフェノールが豊富で、
抗酸化作用も期待できます。
少量でも満足感が得られるため、「食べすぎ防止」にも役立ちます。
また、てんさい糖は北海道産のビートから作られ、
体を温める作用があるといわれています。
冷え性や低体温に悩む妊活女性には、まさにぴったりの甘味料です。
このように、妊活中でも選び方さえ間違えなければ「甘味料」は味方になります。
「我慢」ではなく、「整える」。それが、妊活を続けていく上で心を元気にする秘訣です。
カカオ72%チョコはOK?妊活中のチョコとの上手な付き合い方
「チョコがどうしてもやめられません…」
妊活中の女性から、そんな声をよくお聞きします。
結論から言うと──
“質の良いチョコを、少量だけ楽しむ”なら大丈夫です。
問題は、チョコに含まれる砂糖や油脂の種類なんです。
市販のミルクチョコレートやスイーツの多くには、
血糖値を急上昇させる砂糖やトランス脂肪酸が使われています。
これがホルモンバランスを乱す一因になってしまうのです。
その点、カカオ含有率72%以上の“ハイカカオチョコ”は、
ポリフェノール(抗酸化物質)を多く含み、
血流を改善して卵巣や子宮への栄養供給を助ける働きがあります。
さらに、カカオに含まれるテオブロミンという成分は、
リラックス効果をもたらし、ストレスを和らげてくれるのです。
ストレスがホルモンバランスを乱すことを考えれば、
「少しのチョコでホッとできる」ことは、むしろ妊活にプラスになると言えます。
◆ チョコを選ぶときのポイント
- カカオ70〜85%前後のものを選ぶ(苦味が強すぎない範囲)
- 原材料が「カカオマス」「カカオバター」「きび糖」などシンプルなもの
- 乳化剤や香料が少ないものを選ぶ
- 1日2〜3枚(約10〜15g)までを目安にする
この量であれば、血糖値への影響も少なく、満足感も得られやすいです。“食べない我慢”よりも、“上手に食べる知恵”を持つことが大切です。
◆ 甘いものが欲しくなったときの代替アイデア
どうしてもチョコやスイーツが食べたいときは、「食後」に少量を楽しむのがポイントです。
空腹時に甘いものを食べると血糖値が急上昇しやすく、ホルモンバランスを崩す原因になります。
他にも、
・カカオ72%チョコをナッツと一緒に食べる(血糖値の上昇を緩やかに)
・ココアパウダー+豆乳+ラカントで“妊活ホットココア”を作る
などもおすすめです。
「甘い=悪」ではなく、「甘い=癒し」。
ストレスを上手に解放しながら、心と体を整えていきましょう。
甘味料を変えるだけで体が変わる!〜実際に起きた変化〜
「甘味料を少し変えただけで、本当に変わるの?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実際に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の中には、
“甘味料を見直しただけで月経が整った”というケースがたくさんあります。
ここでは、私の整骨院に通われた妊活中の方の実例を交えながら、
体の変化をご紹介します。
◆ ケース①:三温糖からラカントに変えたら、生理周期が安定
30代前半のAさん。毎月の生理が40日以上と不安定で、排卵日もつかみにくい状態でした。
料理には「自然派」と思って三温糖を使っていたそうです。
そこで、砂糖をラカントに変えてもらい、
ついでに「おやつはカカオ72%チョコに」とアドバイスしました。
1か月ほどで、体が少し軽くなったと感じ始め、
3か月後には生理周期が32日に安定。
肌のトーンも明るくなり、「朝の目覚めが良くなった」とのことでした。
甘味料の質を変えるだけで、体のリズムが整うことを、
改めて感じさせてくれたケースでした。
◆ ケース②:人工甘味料をやめたら、便通と気分が改善
40代のBさん。「カロリーが怖い」と思い、人工甘味料入りのゼロカロリー飲料を毎日飲んでいました。
しかし、慢性的な便秘と気分の落ち込みに悩んでおられました。
人工甘味料をやめ、オリゴ糖入りヨーグルトに変えていただいたところ、
2週間ほどで便通が改善。
「気分が軽くなった」「イライラが減った」と話してくださいました。
腸が整うと、ホルモンの巡りも良くなり、
体も心も穏やかに整っていく。
そんな変化を実感されたそうです。
◆ ケース③:冷えと肌荒れが改善した、てんさい糖生活
冷え性で生理痛も強かったCさん。「甘いものを控えても冷えが良くならない」と相談を受けました。
そこで、「体を温める」性質を持つてんさい糖を提案。
お料理の甘味料をすべててんさい糖に切り替えたところ、
1か月後には足先の冷えが和らぎ、肌の調子も改善しました。
「お砂糖の“温める力”を信じていなかったけど、
今では“食べることが癒しになった”」と笑顔で話してくださいました。
このように、甘味料を変えることは単なる「食事の工夫」ではなく、体の声に耳を傾ける第一歩なんです。
あなたの体が本来持っている自然治癒力は、
日々の選択ひとつひとつで、必ず呼び覚ますことができます。
「甘味料を変える」ことから、あなたの妊活がもう一度動き出すかもしれません。
まとめ:甘味料は敵ではなく、味方にもできる
「甘いもの=悪いこと」
そんなふうに思って、自分を責めてしまう妊活中の女性が本当に多いです。
でも、私はこうお伝えしたいのです。
甘味料は敵ではありません。
正しく選び、上手に付き合えば、あなたの体を守ってくれる“味方”になります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、ホルモンの乱れやインスリン抵抗性など、
複雑に見える問題を抱えています。
でも、その根本には「血糖バランス」や「腸内環境」といった、
日々の食生活が深く関係しています。
だからこそ、“何を食べないか”ではなく、“どう整えるか”が大切です。
・血糖値を急に上げない甘味料を選ぶこと。
・腸を元気にして、ホルモンの流れを整えること。
・心を緩める甘さを、少しだけ自分に許してあげること。
それだけで、あなたの体は少しずつ、優しく変わっていきます。
やがて、生理のリズムが整い、肌が明るくなり、気持ちも前向きに――。
「甘味料を変えること」は、自分を大切にする第一歩。
未来の赤ちゃんに出会うための準備は、
すでにあなたの台所から始まっています。
どうか今日から、“甘さ”を恐れずに、“やさしさ”として味わってくださいね。
- PCOSは血糖値やホルモンのバランスに影響する症状
- 三温糖や人工甘味料はホルモンを乱しやすいため注意
- オリゴ糖・ラカント・てんさい糖などが妊活におすすめ
- カカオ72%チョコは少量ならOK!ストレス緩和にも◎
- 甘味料を見直すことで体調・生理周期・気分が整いやすくなる
- 甘味料は敵ではなく、正しく選べば妊活の味方になる!

