妊娠初期には、下腹部の痛みや出血以外にも、胸の張り、腰の痛み、イライラしたり不安を覚えたり、食欲がなかったり、反対に凄く食べたくなったり、臭いに敏感になったり、だるさを感じたり、めまいや立ちくらみがある、等、生理時とよく似た症状が現れると言われています。
体調不良が妊娠によるものか生理によるものか、実際に見分けるのは難しいのですが、基礎体温の数値が参考になります。通常、生理の場合だと、低温期が2週間ほど続きますが、妊娠初期の場合には基礎体温が変化せず、胎盤から供給されるプロゲステロンの影響で、高温期がずっと続いているはずです。おまけに、妊娠初期のおりものは量や状態、色などが変化することもあります。
妊娠初期はおなかの赤ちゃんにとってもデリケートな時期のため、出血や痛みがあると不安になることもあると思います。その理由は、
1. 受精卵が子宮内膜を傷つける着床出血
受精卵は卵管を移動して、子宮内に辿り着き、内膜に着床します。その際、受精卵が子宮内膜を傷つけ出血することがあると考えられており、これを着床出血と呼びます。
ただし、着床出血は必ず起こるわけではなく、あくまでその可能性が高いと考えられているだけで、医学的にはよくわかっていないものです。「来るべき出産に備えるため」という説もあります。妊娠初期に生理痛のような痛みを感じた日を調べると、着床したであろう日が多いため、着床時に子宮内膜を傷つける場合もあるのではないかと考えられているというのが真相です。
2. 絨毛膜下血腫
絨毛膜下血腫とは、胎嚢の周りに起こる内出血のことです。妊娠が成立すると、子宮の中には赤ちゃんの袋である胎嚢が見えてきますが、絨毛膜下血腫ができる位置やその大きさによっては、出血を起こすことがあります。
本当は前後編の二回の予定でしたが、文字数の制限を超えたので、三回になり、明日に続きます。